教員総覧 - 城市　真理子 | 広島市立大学

（最終更新日 : 2025-04-04 12:31:19）

ジョウイチ　マリコ JOICHI,Mariko
城市　真理子

所属

広島市立大学芸術学部芸術学研究教育イニシアティブ学環

職種准教授

学歴
2009/03 (学位取得)	Ph.D
2009/03 (学位取得)	博士（文学）
2005/04/01～2009/03/31	大阪大学文学研究科美術史学博士後期課程修了
1985/04/01～1989/03/31	九州大学文学部哲学科/美学美術史卒業

教育・研究活動状況
日本美術史の中世～近世絵画を専門としています。日本ではあまり馴染みがない分野ですが、一般には雪舟や若冲が知られているぐらいでしょうか。わたしは、雪舟などの室町時代の水墨画や禅画、肖像画、仏画を研究対象としています。日本の絵画史のなかでも、室町時代というのは、大陸との交流によって文化の地盤に大きな変動が起きた時期のひとつで、様々な価値の転換がありました。特に、水墨画は、従来の色鮮やかな絵巻や宗教画とはまったく異なる「美の意味」の登場でしたが、その背景にある、禅宗文化や五山文学がどのように絵画と関係するのか、水墨画や禅宗絵画の図様や制作の状況などを、絵画のみならず文学や歴史の資料を手がかりにして研究しています。近年は、特に広島における雪舟流や雲谷派についても関心を持ち、地域の文化財調査に取り組んでいます。美術史では作品の時代や作者などの判断も行なうのです。広島には、禅の名刹、佛通寺（三原市）があり、重要文化財の肖像画をはじめ、雲谷等顔の襖絵などがあります。特に襖絵については、こうした調査活動が文化財指定につながりました。文化財は指定されることによって、公的な補助による本格的な修復を受けることができます。つまり、こうした調査・研究は地域の文化財保護につながる重要な布石なのです。現在、わたしは広島県の文化財保護審議委員会や博物館協議会の委員として、行政での文化財保護にも加わっています。かつて、学生時代の恩師、平田寬先生が「埃は誇りだよ」などと笑って仰っていましたが、ホコリまみれになってお寺や神社の文化財調査を行うことは、地域の人々の「誇り」を大事にすることなのだという意味でした。今年はコロナ禍であまりできませんでしたが、今でも文化財の調査では、まさしくホコリにまみれています。広島のホコリのためです。

現在の専門分野
キーワード(室町水墨画、肖像画、詩画軸、中世仏画)

共同・受託研究希望テーマ
広島県および周辺地域の文化財調査

著書・論文歴
著書	令和4年度―令和6年度　基盤研究（C）22K00164　研究報告書　　室町時代から戦国期の禅僧肖像画（頂相）画賛の基礎的研究 (共著) 2025/03/31
著書	頼山陽史跡資料館特別展　今に息づく南画の精髄―南画精華展特別編―,53-53頁 (共著) 2023/01/14
著書	令和3年度　全国公募　南画精華展,31-32頁 (共著) 2022/03/17
著書	平成28～30年度　広島市立大学特定研究報告書　広島地域における中世・近世の美術（絵画・彫刻）の調査・研究,1-25頁 (単著) 2019/03/31
著書	小早川隆景展,58-60,82-86 (共著) 2017/05/19
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学会発表
2021/09/04	佛通寺含暉院伝来の文化財の史的意義　―雲谷等顔筆襖絵を中心に― (広島芸術学会　第35回大会)
2020/08/22	大通禅師（愚中周及）像について―画賛読解による摩頂像の意味― (第102回　九州藝術学会)
2017/07/16	広島の中世・近世の絵画―周辺から中心を考える試み― (広島芸術学会)
2016/07	禅宗絵画・水墨画における「老い」―成熟した精神の表現― (広島芸術学会)
2012/12	室町時代の山水図屏風にみる文人イメージ (広島芸術学会)
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