教員総覧 - 太田　育子 | 広島市立大学

（最終更新日 : 2024-03-17 10:36:51）

オオタ　イクコ OTA Ikuko
太田　育子

所属広島市立大学国際学部国際学科

職種教授

教員審査
	大学院における研究指導担当資格有り

職歴
2007/04/01 ～	広島市立大学国際学部国際学科教授

学歴
2011/01 (学位取得)	Stanford University Doctor of Science of Law
1999/06 (学位取得)	School of Law, Stanford University Master of Juridical Science
1991/06 (学位取得)	Institute of Comparative Law, McGill University LL.M.
1991/03 (学位取得)	一橋大学法学研究科博士後期課程博士後期課程単位取得（論文提出・口述試験合格、博士学位論文提出資格）
1988/03 (学位取得)	一橋大学大学院法学研究科博士前期課程法学修士
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教育・研究活動状況
新型コロナウイルス感染拡大のもと、私たちの生活の当然の前提・基盤となっていた秩序、ひいては国際社会が第二次大戦後に構築してきた国家間制度が、急速に揺らいでいる（“I can’t breathe”抗議運動の拡がりや覇権志向を顕在化させた中国と国際社会との摩擦など）。経済活動が世界中で一旦停止したことの物理的な影響も大きいが、世界的に生活全般でオンライン化が切迫感を伴う速度で進み、人々の思考・感情・行動を変容し続けていることから生じる影響も看過できない。生き物としての人間集団には「元に戻ろう」とする傾向が強いが、AC（アフター・コロナ）で生じる状況をBC（ビフォア・コロナ）の秩序枠組み・規範のなかで対処しようとしても、対応不能なばかりか分断・格差といった社会的弊害が拡大する一方では、と2020年8月時点では予想している。他方で、一人ひとりの根源的な価値信条にもとづく自発的行動から、SNSなどを通じてピラミッド構造ではない柔軟なネットワークが形成され、BC秩序下での市民デモ等の手法では不可能だった、権力のコントロールが可能となる事例（オープンソース・インベスティゲーションによる政府機関の行為の検証など）が増加している。つまり、権力のネガティブな側面が原因で、BC秩序・制度下では沈黙せざるを得ず救済されなかった人々の人権が保障され、ひいては合理的自己主義（J.アタリ）に基づく新たな社会が構築され得る可能性も生じている。文明パラダイムの転換期となる2020年度は、日々の国内外の情勢変化を堅実にフォローし、毎週の教育に反映させつつ、BC秩序下で考察してきた「災厄と人権」に関する研究知見のAC下での見直しを、ひきつづき「人道的アプローチ」と「ナラティブ手法」に着目しつつ行いたい。

現在の専門分野
国際法、国際人権法キーワード(人道的アプローチ、災厄と人権、老・病・死と自己決定権、ナラティブ手法)

研究テーマ
2011	喪失悲嘆へのケア（グリーフケア）の観点から考察する「しなやかな回復力」(レジリエンス)に基づく自己決定権
2000	市場のグローバル化に伴う主権機能の変質とケア全般における公益確保

著書・論文歴
著書	「第13章　棄民の系譜からの自由」『語り継ぐべき原子力災害ーフクシマとチェルノブイリー』［平成27-29年度科学研究費補助金・基盤研究B・研究成果］,361-388頁 (共著) 2024/01/30
著書	Chapter 1. Contribution of Hibakusha Testimonies toward Banning Nuclear Weapons: The 1996 ICJ Advisory Opinion, the 2015 Humanitarian Pledge, and the 2017 TPNW, FURUZAWA, INOUE, and GORMAN eds., Hiroshima and Peace Studies［広島市立大学国際学部叢書15] (共著) 2023/03/20
著書	「第13章　核兵器禁止条約と人道的・段階的アプローチ」井上泰浩編著『世界は広島をどう理解しているか』［広島市立大学国際学部叢書14] (共著) 2021/07/20
著書	「第11章　運輸・通信」『入門　国際機構』 (共著) 2016/05/15
著書	「人権から考える3.11原発事故災害 ― 被曝を最大防護する権利のために」『世界の眺めかた』所収［広島市立大学国際学部叢書6・H23-24年度広島市立大学特定研究費研究成果］ (共著) 2014/08
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学会発表
2021/11/22	「あなたのくぐった『砂嵐』を教えてください--医療従事者による『コロナ禍の語り』の効用」（デジタルポスター報告） (第45回日本死の臨床研究会年次大会（完全WEB配信、オンデマンド掲載期間：2021年11月22日～12月26日）)
2019/11/18	いまから始める！超高齢化社会で「佳く死ぬ」ための老病死の受容 (広島市立大学の地域貢献事業発表会)
2019/11/03	若いうちから準備しないとたぶん上手に死ねない件、その後いかがですか？ ――老病死の受容への展望と課題―― (第43回日本死の臨床研究会年次大会（セッション　死の臨床を支える文化）)
2017/10/08	”あの戦争”から”わたしの死”を取り戻す：　日本社会のゴースト・ロールの解放のために　［平成29年度科研費基盤(A)研究成果］ (第41回日本死の臨床研究会年次大会（セッション　死の臨床を支える文化/死生観）)
2017/09/30	棄民の系譜からの自由--被災の語りがもたらすもの　［平成29年度科研費基盤(A)研究成果］ (科研費公開シンポジウム「原子力災害とは何か--未来と世界へのメッセージ」)
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委員会・協会等
2018/02/01 ～	広島県広島県都市計画審議会委員
2014/12/25 ～	広島県広島県私立学校審議会委員
2013/04/01 ～ 2018/11/30	広島県広島県情報公開・個人情報保護審査会委員